名古屋地方裁判所 平成7年(行ウ)27号 判決 1995年10月18日
名古屋市名東区上菅一丁目四二一番地
原告
川合康弘
名古屋市千種区振甫三丁目三二番三号
被告
千種税務署長 山田肇
右指定代理人
西森政一
同右
番場忠博
同右
佐々木博美
同右
木村勝紀
同右
小田嶋範幸
主文
一 本件訴えを却下する。
二 訴訟費用は、原告の負担とする。
事実及び理由
第一請求
被告が原告の平成三年分の所得税について平成五年七月二〇日付けでした更正すべき理由がない旨の通知を取り消す。
第二請求の原因
一 原告と川合久子は、別紙物件目録記載の不動産(以下「本件不動産」という。)を共有していたところ、平成三年一〇月三〇日、豊国工業株式会社に対して、本件不動産を、代金額七五〇〇万円で、売却した。
二 原告は、昭和五九年五月に、太平建設工業株式会社(以下「太平建設」という。)の債務を三億円を限度に保証した。
三 原告は、右売却代金のうち三〇九三万二七三四円をもって、右二の保証債務を履行した。
四 太平建設は、倒産と同様の状態にあり、同社に対する求償権の行使は不可能である。
五 原告は、平成三年分の所得税の確定申告書において、右三〇九三万二七三四円について所得税法六四条二項の適用を受ける旨の記載しなかった。そこで、原告は、確定申告書の提出後、被告に対し、右三〇九三万二七三四円については所得税法六四条二項の適用を受けるので、確定申告書の提出により納付すべき税額が過大である旨の更正の請求をした。
六 これに対し、被告は、平成五年七月二〇日付けで、原告に対し、更正すべき理由がない旨の通知(以下「本件通知」という。)をした。
七 しかし、右一ないし四の事実からすると、所得税法六四条二項の適用を受けるものというべきであるから、本件通知は、違法である。
八 よって、原告は、本件通知の取消しを求める。
第三当裁判所の判断
一 原告は、本件の訴状に収入印紙を貼って納めるべき手数料三万九六〇〇円を納めなかったので、裁判長は、平成七年九月七日、命令送達の日から一四日以内に、本件の手数料三万九六〇〇円を収入印紙で納付すべきことを命じ、この命令は、同月九日、原告に送達されたが、原告は、右命令送達の日から一四日を経過しても、右手数料を納付しない。
二 よって、本件の訴えは、不適法であり、原告は、その欠缺を補正することを命じられたが、補正しないので、本件の訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 岡久幸治 裁判官 森義之 裁判官 田澤剛)
物件目録
(一) 名古屋市名東区上菅二丁目八一一番
宅地 一四一・四七平方メートル
(二) 名古屋市名東区上菅二丁目八一一番地所在
居宅二棟 床面積合計一一九・〇三平方メートル